京極夏彦を語らずして森博嗣は語れない。

ということで、前回は京極がデビューに至った経緯を書いた。

さて、いよいよ本命の登場である。

「すべてがFになる」そう、森博嗣のデビュー作だ。

私は、この小説と出会ったときのことをいまでも忘れられない。

いつものように書店でフラフラしていると、自然と一冊の背表紙に目が止まった。

タイトルの秀逸さに、まずやられたわけだ。

といっても、これはあまり珍しいことではない。

次に、実際手に取ってみる。

装丁が素晴らしい。

実は、もう、この時点で購入するのは決まっている。

小説に限らず、なにかモノを購入するときは、こういう直感というか第一印象を信じることにしているからだ。

そして、もうすでに購入を決めているにも関わらず、私はトドメの一撃を食らわせられることになる。

 

「先生……、現実って何でしょう?」萌絵は小さな顔を少し傾けて言った。

「現実とは何か、と考える瞬間にだけ、人間の思考に現れる幻想だ」犀川はすぐ答えた。「普段はそんなものは存在しない」

 

表紙にそっと書かれてあった、おそらく作中の引用であろうこの会話。

この時点で、ほとんど駆け出しながらレジへ向かい、さっさと家に帰った私は貪りつくように読み始めた。

では、続きは次回…w

 

 

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